ワークライフバランスの推進

「ワークライフバランス」も昨今よく聞かれる言葉ですが、言葉のニュアンスだけで何となく理解している、という人も多いのではないでしょうか。

そこでここでは、ワークライフバランスの定義や推進のメリット、具体的に行われている取り組みなどを詳しく知っていきましょう。

ワークライフバランスの定義

ワークライフバランスとは、「ワーク(仕事)」と「ライフ(生活)」のバランスを考えて両立させること。平成19年に内閣府が「仕事と生活の調和憲章」および「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を制定してから注目されるようになり、平成31年に「働き方改革関連法」が施行されると、より一層その考え方が広まったと言われています。

単に仕事量を調整するという意味合いだけでなく、仕事でプライベートを犠牲にしたり、家庭や子育ての事情で満足に働けなかったりといった不満が生まれないよう、ともに充実した状態を目指すのがワークライフバランスの特徴です。

ワークライフバランス推進のメリット

従業員のモチベーション・生産性向上

まず、ワークライフバランスを企業が意識することによって生まれるメリットとしては、「従業員のリフレッシュが適度に行われることで、生産性の向上が期待できる」「無駄な残業の必要がなくなり、職場にメリハリが生まれる」といったものがあります。

プライベートに楽しみがあれば、仕事にもより一層身が入りやすいのではないでしょうか。

女性も含めた従業員の離職率低下

ワークライフバランスを重視された職場は、肉体的・精神的な無理が生じにくいため離職率が低くなる可能性が高いと言えます。

また、このまま少子高齢化が進んでしまうと、将来的には親の介護に苦心する従業員も少なくないでしょう。

妊娠や出産などのライフイベントが関わってくることから、男性に比べて離職率が高いとされる女性も含め、育児や介護などと両立しやすい環境づくりは貴重な人材の維持・確保にもつながります

ワークライフバランス推進のための具体的取り組み

産休・育休取得支援

具体的な取り組みとして代表的なのは、産休や育休の支援です。

妊娠や出産はどうしても女性によるものなので、産休後に復帰できるかどうかの不安から、退職を選ぶ方も少なくありません。

産休や育休を積極的に取得し、その後復帰してからも活躍が期待できる環境を整えておくことは、長期的な人材確保という視点からも意味があるでしょう。

また、最近では共働き家庭の増加により男性の育休取得を推進する声も上がっているため、導入していない企業は視野に入れてみてはいかがでしょうか。

短時間勤務

次に、フルタイムとは違う「短時間勤務制度」を設ける取り組みです。

一般的には子育てが始まった共働き家庭の夫婦が取得する傾向があります。

保育園や幼稚園などに預けるといっても、時間の制限が設けられていることも多いため「働きたいけれど今まで通りにはいかない」という場合に利用されるものです。

また、家族の介護が必要な人にとっても、無理なく働ける制度として重宝されています

テレワーク

新型コロナウイルス感染拡大により、急速に普及が広まったテレワーク。

自宅にいながら仕事が可能ということで、通勤時間が不要となり生活の自由度が高まります

子育てや介護などの問題で家を離れにくい人はもちろん、普段満員電車にストレスを感じている方や通勤時間が長すぎてプライベートの時間を取りにくい方などにとっても、有益な働き方だと言えそうです。

フレックスタイム制度

最後に、職種や会社によっては古くから導入されていることもある「フレックスタイム制度」ですが、これは「あらかじめ定められた総労働時間にのっとって、その範囲内(企業が設けるコアタイムあり)で始業や終業時間を労働者自身が決められる」というものです。

早朝に来て早く帰ったり、昼から出社して遅くまで頑張ったり…といった方法が可能です。

通常の勤務形態より自由度が高く、決まった時間にやりたい趣味がある人などに助かる制度です。

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