ジェンダーギャップと教育の関係性
ジェンダーギャップは、人生選択にも関わる教育の中にも潜んでいると言われています。
しかし、男女平等に授業を受けているはずなのに、なぜそのようなことが起こってしまうのでしょうか?
ジェンダーギャップの原因や、これからの対策について考えていきましょう。
教育面でのジェンダーギャップとは
日本における教育面でのジェンダーギャップで問題とされやすいのは、主に「高等教育」の面だと言われています。
昔から理系に進む女子は少ない印象ですが、実は文理選択には幼少期からのジェンダーギャップが関わっているとされており、もともとの能力的に男女差はないのに「女の子は理数系が苦手」という意識を持ちやすいという説もあるのです。
また、2020年の全国の女子高生を対象とした調査(※)では、47%が「「女の子だから」と何らかの制限を受けたことがある」と回答。
「女子には理系の問題は分からないだろう」「女の子だから遠くの学校へ進学する必要はないだろう」など、窮屈なジェンダーギャップを感じる内容が見られました。
教育でのジェンダーギャップが生じる要因
学校と家庭、両方で自然と男女の差を感じやすい
日本においても男女平等は謳われていますが、2022年現在はいまだに男性が収入の主体、女性はそのサポートといった役割を担っている家庭が多く、子どもの頃からそういったイメージを与えられやすいのが実情です。
また、学校においても高等教育に進むにつれ女性教員の数が下がる傾向があり、特に理系分野では男女の人数差が顕著です。
よって学校でも、前述した通り「教育段階が上がるほどそこで働く女性は少なくなり、かつ理系に進む女性も少ない」という意識が生まれるのです。
「女性はいずれ家庭に入る」という意識が根強い
前にご紹介した調査で「「女の子は遠くの学校に行かなくていい」と言われて傷ついた」との結果がありましたが、家庭によっては大学や大学院進学についても同じように考えている場合があります。
学費がかかる以上、「卒業後に長く正社員などで働かなければもったいない」という気持ちが働くわけです。
「いずれは結婚して子育てが主体になるだろう」といったイメージがいまだに根強いことも一因と言えるでしょう。
ギャップを生じさせないための対策
社会全体としては、やはり「女性が妊娠、出産というステージを経ても働き続けられる環境を目指すこと」が挙げられるでしょう。
共働き家庭であっても、女性が出産するとどうしても賃金格差は開きがちだと言われています。
これは日本だけでなく、ジェンダーギャップを感じにくいと言われる北欧であっても同様の課題が挙がっていると言いますから、難しい問題です。
しかし、出産は現状女性にしかできませんが、いっぽうで育児は男女で協力が可能です。
女性が家計の主体となる家庭や、女性管理職を能力に応じて増やしていくことができれば、将来的にはジェンダーギャップも徐々に縮まるのではないでしょうか。
親が気を付けるべきこと
子どものジェンダーギャップは、教育機関だけでなく家庭も大きく影響しています。
そのため、保護者の方が小さい頃から気を付けるべきこととしては「「男の子だから」「女の子だから」という言葉を極力使わないようにする」「お手伝いの種類に男女差を付けない(女の子にだけ料理の手伝いをさせる等)」などが挙げられるでしょう。
また、夫婦がお互いを思いやる姿を見せることも大切です。
進学のタイミングではあくまでも本人の熱意や将来への意志を尊重し、1人の人間として向き合ってあげてください。