LGBTQ+の基礎知識

ダイバーシティ・インクルージョンに欠かせないLGBTQ+支援。

LGBTQ+を理解して受け止めるために、基礎知識を身に付けましょう。

「LGBTとLGBTQ+の違いやLGBTQ+以外のセクシュアリティについて」「LGBTQ+理解に欠かせないSOGIとは」などを徹底解説します。

LGBTQ+について

LGBTは「Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)」「Gay(ゲイ、男性同性愛者)」「Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)」「Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)」の総称です。

ではLGBTQ+の「Q+」は何なのでしょう。

Qは「Questioningクエスチョニング」「Queerクィア」の頭文字です。

クエスチョニングは、性自認や性的指向が定まっていない、あるいは意図的に定めていない人のこと。そしてクィアは、性そのものではなくて、生き方を表す言葉です。

「性で区別しなくても、私は私なんだ」という概念と言っていいかもしれません。

クィアは、もともとは「変わり者」という蔑称でしたが、それを逆手にとって「変わっていて何が悪い」と開き直ったところに覚悟が感じられます。

男、女、同性愛者などとラベリングした方がすっきりするという人もいれば、ラベリングは苦しいという人もいるということを受け止めて尊重することが、LGBTQ+支援で大切なことです。

LGBT以外のセクシュアリティ

LGBT以外にも、さまざまなセクシュアリティがあることが分かってきました。基礎知識としてお伝えします。

  1. クエスチョニング
  2. 自分のセクシュアリティが自分でもよくわからない状態の人のことです。性自認のみならず、性的指向についても良くわからない状態です。


  3. Xジェンダー
  4. 男性でも女性でもない性的自認を持つ人です。オーストラリアのパスポートでは男性、女性だけでなく“X”を選ぶことができます。


  5. アセクシュアル
  6. アセクシュアルとは、他者に対して性的欲求を抱かない人のことです。アセクシュアルをさらに、恋愛感情はあって性的欲求を抱かない人を「ロマンティック・アセクシュアル」恋愛感情も性的欲求も抱かない人を「アロマンティック・アセクシュアル」と分類することもあるようです。

SOGIとは

SOGI(ソジ)とは、Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の頭文字をとった言葉です。

性的指向と性自認は、LGBTQ+だけでなく、全ての人に関係があります。

性的指向は、どの性別に恋愛感情を抱くか表すものです。異性愛、同性愛、両性愛などを指します。

性自認は、性に関する自己認識のことで、「女である」「男である」「どちらでもない」などを指します。

LGBTQ+などの判断は、この性的指向と性自認の組み合わせによります。

例としては「自分は男性であって(性自認)、女性に恋愛感情を持つ(性的指向)」という使い方になります。

LGBTQ+理解の基礎知識として知っておきましょう。

LGBTQ+の割合

電通ダイバーシティ・ラボが2020年に行ったインターネット調査(※)によると、LGBTQ+層に該当すると回答した人は、8.9%でしたが、LGBTQ+以外の性的少数者の存在も明らかになっており、そういう人たちも含めると、もう少し多くなりそうです。

※調査対象:20~59歳の個人6,240人(LGBTQ+層該当者555人/ストレート層該当者5,685人)、調査時期:2020年12月17日(木)~18日(金)、調査方法:インターネット調査

参照元:電通公式HP (https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0408-010364.html)

海外を見ると、LGBTQであると答えたアメリカ人成人の割合は、2021年には7.1%という調査結果もあります。

参照元:gallup news (https://news.gallup.com/poll/389792/lgbt-identification-ticks-up.aspx)

これだけを見ると日本がとびぬけて多そうですが、調査方法や被験者のLGBTQ知識や理解度などによって調査結果は変わってくるので、単純に比較できるものではありません。