グローバル人材とは
「グローバル人材」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
グローバル人材は海外市場を視野に入れた企業にとって期待を背負う存在と言われていますが、今回はその定義や求められていることなどについて、詳しくご紹介しましょう。
グローバル人材の定義
まず、グローバル人材とは基本的に
- 語学力やコミュニケーション能力を持つ
- 日本人としてのアイデンティティーを持ちながら、異文化への深い理解がある
- 主体性や積極性、チャレンジ精神があるいっぽう、柔軟性や協調性、目的を全うする責任感なども兼ね備えている
という3つの特徴がある人材を表します。
つまり、単純に語学に長けているだけでなく、外国人とのやり取りの巧みさも含めた「総合的な人間力」が求められているのです。
グローバル人材に求められること
語学力
グローバルであるからには、語学力はやはり必要です。特に、世界共通語とも呼ばれる「英語」は基本と言えるでしょう。
望ましいレベルとしては「自分の考えや情報を共有できる」「相手方と交渉や折衝などが可能」といったところです。
多国籍な人材が集まる職場であれば、なまりのある英語の聞き取り力、英文の読み書きなども鍛えておきたいものです。
コミュニケーション能力
次に必要なのは「相手の言語文化をふまえたコミュニケーション能力」です。
コミュニケーション能力とは、ただ円滑に会話できるだけではありません。
例えば、日本語ではハイコンテクスト文化(婉曲表現)が主流ですが、相手がローコンテクスト文化圏(分かりやすい表現)の人ならば、伝え方も変わってきます。
話題のために教養や趣味の分野に対するアンテナを張っておくだけでなく、相手の立場に立った話し方ができるようになることが望ましいと言えます。
日本人としてのアイデンティティー、および異文化理解
異文化理解には「敬意と関心」が大切です。
ただ好奇心を持ってたずねるだけでなく、相手にとって大事な文化であることを尊重する姿勢を持てば、より信頼関係は深まるでしょう。
その気持ちを持つためには、まず自分が「日本人としてのアイデンティティー」を持つことも重要です。
あくまでも日本人であるというオリジナリティを忘れず、グローバルな文化に触れていきたいものです。
主体性や積極性
海外に関係する業務の場合、特に「正しい知識に基づき、主体的かつ積極的に行動すること」が求められます。
仕事についての知識はもちろん、相手国における法律や政治、商業、国民性、市場の特性など、基本的なことは調べておく必要があるでしょう。
また、これはリーダー的なポジションにも求められる特徴です。
チャレンジ精神
国際社会における競争を勝ち抜くためには、失敗を恐れず、早くより良い結果を得ることを考えてチャレンジする姿勢も大切です。
もちろん、従来の課題解決などを追求した上で可能性を模索する必要はありますが、リスクを避けることばかりを考えても新たな製品やサービスは生まれません。
協調性や柔軟性
とはいえ、主体性や積極性、チャレンジ精神のみを優先すると自己中心的な行動になってしまうこともありえます。
グローバル人材に求められるのは、フレキシブルな対応力です。
特に多様な人材が集まる職場では、互いのアイデアをぶつけ合うだけでなく、時には妥協点を探して認め合う姿勢が大事なケースもあります。
責任感や使命感
仕事において基本持っておくべきと言っても良い、責任感や使命感。
もちろん目の前のことをやり遂げることが大切ですが、グローバル人材ならではの広い視野で「自分がこの組織の中でどのような業務を担当しているか」を考えると、より意識は高まるかもしれません。
グローバル人材が必要とされる背景
近年、グローバル人材が求められる背景には「インターネットの普及による海外市場に対する考え方の変化」があると言われています。
ネットを通じて海外の顧客ともコミュニケーションを取りやすくなったため、事業の視野を広げる企業が増えたのです。
また、少子高齢化による若手就労者の減少により、外国人人材を活用する必要性が出てきた、という面もあります。
D&I経営を検討する上でも、グローバル人材の獲得は今後もさらに注目されていくことでしょう。