SDGs、ESGとの関わり、違いについて

「SDGs」や「ESG」の推進を掲げる企業も、近年増えてきました。

しかし、それぞれ一体どのような意味なのか詳しく知っていますか？

ここではD&Iとの関わりもふまえ、解説していきましょう。

SDGsの定義・背景

SDGs（Sustainable Development Goals）は「エス・ディー・ジーズ」と読み、日本語に直すと「持続可能な開発目標」です。

これは2015年9月に開催された国連サミットにおいて、加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されました。

簡単に言えば、2030年までに持続可能かつ、よりよい世界を目指す国際目標です。

「地球上の誰一人取り残さない（leave no one behind）」を信念として、17のゴール＋169のターゲットからなるのが特徴です。

具体的な内容は主に貧困や飢餓をなくす、環境に配慮し、誰しもが健康のための福祉を受けられるようにする、ジェンダーの平等を実現する、パートナーシップで目標達成をする、皆に質のよい教育を与えるなどが挙げられるでしょう。

また、169のターゲットについては17のゴールそれぞれに細かく設けられており、例えば貧困をなくすという目標であれば「現在１日1.25ドル未満で生活する人々」を対象として定義した上で、年齢や性別、立場を問わない救済を目標とするなど、より取り組みが身近に感じられるものとなっています。

これに対しESGは、2006年当時国連事務総長を務めていたコフィー・アナン氏が発表した投資判断の新たな視点のことで、企業の成長を促進するためには「Environment（環境）」「Social（社会）」「Governance（ガバナンス）」という3つの視点が必要だという考え方です。

この観念は世界中で広まりつつあり、さまざまな企業がESGへの取り組みを推進しています。

それぞれの具体的な例については以下の通りです。

経営者や社員にとって無理のない環境づくりをすること、真摯な経営を目指すことはもちろんですが、近年では地球温暖化や気候変動といった環境問題も企業は直面しています。

直接的に環境に関わる職種でなくとも、例えば自動車から出る排気ガスや排水など、日常的に意識せず行われる行為も環境問題に関わっているのです。

環境保全活動への取り組みは、企業評価をアップさせるだけでなく、持続的な資源の確保にもつながると言えるでしょう。

D&IとSDGs、およびESGの関わりについては、「ジェンダーの平等を含め、多様性を受け入れたより良い職場環境を目指す」という点が共通していると言えます。

SDGsの基本的な信念である「地球上の誰1人として取り残さない」はD&Iの考え方にも重なっていますし、ESGに関しては主に「Social（社会）」の分野における職場環境づくりの価値観が、D&Iと似通っていると言えるでしょう。

つまり、さまざまな多様性を認めるということは、SDGsやESGの推進にもつながってくるわけです。