女性活躍の必要性とメリット
なぜ女性活躍を推進する必要があるのか。そこが分かっていなくては、周りの協力も得られません。
時代が求めている背景からその必要性を解説します。
さらにそこから得られる、女性活躍以上のメリットについてもお伝えします。
女性活躍推進法について
女性活躍推進法とは、女性が仕事をするうえで十分に能力を発揮し活躍できる環境を整備するために制定された法律です。
これにより、団体や企業などがするべき責務を明らかにし、働く女性のための環境づくりをどのように推進しているかを、企業側が報告しなくてはならなくなりました。
常時雇用する労働者が301人以上の事業主から101人以上の事業主に情報公表の義務がありますが、情報公表にはメリットがあります。
推進する背景
女性活躍を推進する背景には、次のようなことがあります。
- 少子高齢化による労働力不足
- 国際的な視点
日本の生産年齢人口(15歳から64歳)は、2050年には2021年から29.2%に減少すると見込まれています。
(出典)内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」
参照元:総務省公式HP
(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd121110.html
)
労働を担う女性が安心して働き続けられる環境づくりが急務です。
ESG・SDGs投資では女性活躍が一つの指標となっているため、資金調達への影響も見落とせません。
また、国際ジェンダーギャップ指数が低いと、海外への人材流出にもつながりかねません。
推進するメリット
人材確保と定着率アップにつながる
女性活躍推進法に取り組むことで、積極的に改善に取り組んでいる企業であると認識されるようになると、ここで働きたいという女性が増えてきます。
実際、就職相談の場でも、女性活躍に関する取組の実施状況が優良な企業として認定されているかを、一つの目安とすることをアドバイスしています。
また、女性が活躍しやすい企業であれば、できるだけ長く働き続けたいと考える人が多くなり、定着率もアップします。
今の若い人たちはブラック企業の判断材料として離職率をチェックしているので、定着率アップは、人材確保にとても有利になります。
ダイバーシティ経営につながる
人手不足により、女性のみならず、高齢者や障がい者、外国人なども雇用しなくてはやっていけない時代になっています。さらには、海外生活が長い帰国子女も増えています。
そのような多様な人材が気持ちよく働けるようにすることは、もはや避けて通れないものでしょう。
実は、女性に働きやすい環境は、女性以外にも働きやすい環境となっていきます。残業を減らす、休みを取りやすくするなどはわかりやすい例です。
女性が働きやすい環境を整えることは、多様な人材が働きやすい環境をつくることでもあり、ダイバーシティ経営につながるものなのです。
公共調達で有利になる
各府省等が総合評価落札方式又は企画競争による調達によって公共調達を実施する場合は、女性活躍推進法に基づく認定企業などを加点評価するよう定められています。
女性活躍推進法における認定は「えるぼし認定」となります。えるぼし認定には、1つ星~3つ星があり、星が増えるごとに加点は高くなります。(要申請)
国の事業を受注するには、少しでも有利な資格をそろえたいものです。会社の環境が良くなることで、公共調達が有利になるのであればいいことずくめ。
積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。
低利融資を受けられる
行動計画の策定(策定が努力義務の常時雇用する労働者100人以下の事業主に限る)を行って「えるぼし」認定を取得した企業は、日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)」を、通常よりも低金利で利用できます。
参照元:厚生労働省公式HP
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html)