女性活躍の取り組み方法・具体的事例
女性活躍推進には「メリットが多いことはわかっても、実行するのは大変そう」そんな皆さんに、取り組み方を分かりやすくステップ別に解説します。
女性活躍を進めることで得られる助成金も活用して企業の活性化を図りましょう。
女性活躍推進に向けて企業が取り組むべきステップ
<ステップ1>自社の女性の活躍状況を把握する。
行動計画の策定に先立って自社の女性の活躍に関する状況把握を行います。
以下の情報公表すべき項目を参考にするといいでしょう。
- 採用した労働者に占める女性労働者の割合
- 男女別の採用における競争倍率
- 労働者に占める女性労働者の割合
- 係長級にある者に占める女性労働者の割合
- 管理職に占める女性労働者の割合
- 役員に占める女性の割合
- 男女別の職種または雇用形態の転換実績
- 男女別の再雇用または中途採用の実績
- 男女の賃金の差異(必須)
- 男女の平均継続勤務年数の差異
- 10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
- 男女別の育児休業取得率
- 労働者の一月当たりの平均残業時間
- 雇用管理区分ごとの労働者の一月当たりの平均残業時間
- 有給休暇取得率
- 雇用管理区分ごとの有給休暇取得率
<ステップ2>課題分析、行動計画の策定、労働局への届け出を行う。
ステップ1の状況把握をもとに課題分析をし、行動計画を策定します。
課題例としては、女性管理職が少ない、育休や有休の取得率が低いなどです。
課題が複数存在する場合は、自社にとってより大きな課題から取り掛かるようにするといいでしょう。
行動計画の内容は、男⼥雇用機会均等法に違反しない内容にしなければなりません。
(a)計画期間(b)数値目標(c)取組内容(d)取組の実施時期を盛り込みます。 電子申請、郵送、または持参で行うことが可能です。
※様式は参照元:厚生労働省の女性活躍推進法特集ページ
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html)
行動計画を策定したら、管轄の都道府県労働局へ届け出をします。
「一般事業主行動計画の策定について」からダウンロードできる「一般事業主行動計画策定・変更届」を使用します。
<ステップ3>社内周知、外部公表を行う。
非正社員非正規労働者を含めたすべての自社の労働者に周知する必要があります。
書面等を掲示する場合は、労働者全員が見ることができるような掲示場所を選定し、かつ、その場所を周知します。電子メールや社内ネットワーク、社内報の活用、書面での配布などで、労働者がいつでも確認できるように配慮しましょう。
自社のホームページに掲載するなどもしましょう。採用ページにもアップすることをお勧めします。
厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」にも公表しましょう。このサイトは、就職活動中の人もよく閲覧するので、優秀な人材確保に役立ちます。
公表項目は、労働者が301人以上の事業主はステップ1の➀~➇の1項目+➈(必須)+➉~⑯の中の1項目。労働者が101人以上300人以下は任意の1項目以上です。
<ステップ4>効果測定をし定期的に更新する。
労厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」に公表したデータは、労働者数101人以上の企業は、年1回以上の情報更新が義務付けられています。
行動計画を策定し公表したまま放置しておくと、イメージダウンになるばかりか、社内雰囲気の悪化にもつながりかねません。きちんと実施してその効果を測定し、新たに行動計画を策定しなおすなど、継続的に取り組みましょう。
短期間で改善できなくても、しっかりと取り組んでいる姿勢を見せることが、企業イメージにも大切です。
厚労省の「女性の活躍推進企業データベース」に登録すると、更新時期をメールで知られてくれるので便利です。
助成金について
女性活躍推進法に沿って、行動計画の策定・公表等を行い、行動計画に盛り込んだ内容を実施して数値目標を達成した場合には、両立支援等助成金が支給されます。
両立支援等助成金には、以下の支援コースがあります。
- 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
- 介護離職防止支援コース
- 育児休業等支援コース
- 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理設置による休暇取得支援コース(注:令和5年3月31日まで)
- 不妊治療両立支援コース
支給対象となるのは、➃以外は中小企業事業者のみです。中小企業の定義は、業種によって変わりますから、中小企業庁のサイトで確認しましょう。
参照元:中小企業庁「中小企業者の定義」公式HP(https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html)